これまで一度も相続を経験したことがなくても、相続税という税金は知っている方も多いですよね。
しかもこれは税額が高いとも、近年増税されたとも言われます。
いくら税金がかかるのか、非常に気になるところだと思いますが、仕組みをよく確認すると、一切税金がかからない例も非常に多いのです。
そうなるのは、相続税にも基礎控除があるからです。
不要な税金を払わなくても済むよう、この控除のことやその計算方法についてご紹介しましょう。

まず基礎控除についてですが、これは他の税金でよく言われるものと同じ意味合いです。
所得税でも、どんな方にも一律で適用される基礎控除38万円があります。
自分で確定申告をやったことがある方など、このような基本的な控除のことを知っている方も多いでしょう。
これは課税金額から無条件で引ける金額になりますから、それだけ課税金額が下がるのです。
これは税金を計算する上で非常に大事なことで、課税金額が下がるほど、計算される税額も安くなります。
この基礎控除を引くことで課税金額が0になったら、税金はつまりかかりません。

多くの税金にはこのような基礎控除があり、相続税でもそれは同じです。
この基礎控除をまずは引いて、課税金額がいくらあるのかを確かめるのですが、これで課税金額が0になったら、相続税も非課税となります。
そして実際にこの税金ではそのようなケースが多いのです。
基礎控除のおかげだけではないのですが、実際に相続税が課税されるのは、相続の全体のうち、1割程度だと言われています。
相続税の発生率とはそれくらいですから、相続があったらまずは基礎控除を計算し、これを遺産の総額から引いてみましょう。
かなりの資産家でない限りは、実際にやってみると基礎控除の方が高く、課税金額がなかったというケースもかなり多いですよ。

基礎控除はいくらかというと、これは計算で決まる仕組みです。
その計算式は、3000万円+法定相続人の数×600万円です。
一律で決まる金額と、法定相続人の人数に応じて変わる金額とがあり、それぞれを足し算するという計算になります。
計算自体は非常に単純です。

ただ、自分のケースでいくらなのか、自分で判断して計算するのが、慣れていない方には少し不安になるポイントかもしれません。
たとえば法定相続人が2人なら、この人数に応じて変わる基礎控除は600万円×2で1200万円になりますね。
これに一律の3000万円を足して、4200万円が相続税の基礎控除になるわけです。
あとはこれを、集計した遺産の総額から引いてみてください。
この例では、遺産の総額が4200万円以下なら、相続税はかかりません。
もし4200万円を超える場合は、そのときは計算できたその課税金額に対して、相続税がかかります。

これらが相続税の基礎控除の基本的な計算法やその適用法になるのですが、実際に相続が起きたときに気をつけたいのは、相続人の人数ですね。
これを多く見積もっていた場合、基礎控除が本来の金額より高くなるため、相続税がかかる条件でもかからないと思って、申告を忘れがちです。
逆にこれを少なく見積もると、申告漏れや過少申告の恐れはなくなりますが、本当なら必要ない納税をする恐れがあり、損ですよね。

一律で3000万円となる基礎控除の部分はあまり間違える心配はありませんが、問題は法定相続人の人数によって変わる部分です。
この人数を1人分間違えると、基礎控除の金額は600万円変わってきますから、これを間違えるのは避けたいですね。
そしてこれは法定相続人の人数が正式に確定すれば間違えにくいポイントですが、誰が法定相続人になるのか、これは初めての相続では間違えやすい部分ですし、自分が相続人だと主張する人物が現れるなど、争いにもなりやすい部分です。

基礎控除を正しく計算するためにも、誰が法定相続人になれるのか、その規定は確認しておきましょう。
まず故人の配偶者は、どんな状況でも必ず法定相続人になれます。
故人の配偶者が生存している限りは必ず法定相続人となるため、この方は基本的に人数に入れておきましょう。
そして故人の配偶者とともに、最優先で相続人となるのは、故人の子供です。
こちらも生存している子供がいれば法定相続人となりますから、もしその方が1人でもいれば、法定相続人は故人の子供と配偶者に確定します。

もし故人に生存している子供が1人もいない場合、次は故人の直系尊属が相続権を得ます。
直系尊属とは、両親や祖父母など、故人の先祖にあたる相手です。
両親で生存している方がいればその方たちに、両親が両方とも既に死亡しており、祖父母のどちらかが生存していれば、その方たちが故人の配偶者とともに相続人となります。

生存している直系尊属が誰もいないときは、故人の兄弟姉妹で生存している方が、故人の配偶者とともに相続人となります。
このように法定相続人は故人との関係により優先順位が決まっていますから、今回のケースで誰が相続人になるのか、それを確定したら、その人数で基礎控除を計算してください。
また遺言書があった場合などは相続人が変わってくることもありますので注意が必要です。

不動産などがあった場合の相続では登記が必要となります。
相続における登記についてはこちらを参考にするとよいでしょう。→相続登記は自分でできる?